ルーキーが気持ちでつかみ取ったゴールで勝利。その勢いを西が丘のピッチでも表現する。マイナビ仙台レディースは前節ちふれASエルフェン埼玉戦で、前半6分にFW松窪真心選手が先制点を決めると、これを守りきって1-0で勝利した。一度は相手に阻まれても、すぐに立ち上がり諦めずゴールを狙い続けたストライカーのひたむきさが勝ち点3を呼び込んだ。「勝たなければというプレッシャーの中の難しい試合だった。勝ちきれたことは本当に大きい」と松田岳夫監督が話すように、連敗を止め、上昇へ向けて再スタートを切ることができた一戦だった。
今節対戦するのは、首位・三菱重工浦和レッズレディース。浦和はここまで10勝1敗、積み重ねた勝ち点は30に達した。前節は新潟L相手に3-0と豊富な攻撃パターンで圧倒し、リーグ戦は6連勝中。マイナビは浦和との前回対戦で、開始早々に失点を喫し、自分たちのペースを失って0-2で敗れた。同じことは繰り返したくない。
「難しい試合になると思うが、恐れず、一人一人が個のところで負けないこと」とDF高平美憂選手は強調する。「FWには起点になる選手が多いし、サイドハーフもスピードのある選手がいるので、簡単にやらせないこと」。警戒すべきポイントは多いが、力が通用しない相手ではない。「守から攻への切り替えで、どれだけゴールに素早く近づけるかが鍵となる。ゴールを決めたい気持ちは強い」と、昨年のホーム浦和戦でWEリーグ初得点をマークしたレフティは今節も狙い続ける。後期はDFラインからサイドハーフへ主戦場を移した高平。「私の特長であるクロスからより多くチャンスを作ること。速く精度の高いクロスを上げたい」と、得点に関わるプレーを強く意識する。ゴールに直結する、その左足に注目しよう。
今節は昨季に続き2度目の「東京開催のホームゲーム」となる。昨年の新潟L戦では、1,500人を超える観客が味の素フィールド西が丘を訪れ、両チームの熱戦を見守った。今回は関東圏のサッカーチームに所属する子どもたちを無料招待している。より多くの方々に、女子プロサッカートップレベルの試合をぜひ間近で感じて欲しい。DF國武愛美選手は「サッカーを好きになってもらうためには、見ていて面白いと思ってもらうことが1番。初めてサッカーを見る子やこれからサッカーを始めたいという子どもたちのきっかけになる試合をしたい」と意気込む。思いのこもった1つのゴール、1つのセーブ、1本のパスが、見る人の心を動かし、深く記憶に刻まれる。そんな好ゲームを期待している。