タフなゴールデンウィークの3連戦を乗り越えたマイナビ仙台レディース。5月2日に須藤茂光・新監督を迎え、チームは前を向いて歩き始めた。短い間隔で巡ってくる試合に準備期間も限られていた中で、指導者歴30年を超える須藤監督はAC長野戦、千葉L戦で佐々木勇人コーチに全権を任せた。「選手をよく知っているコーチ陣にやってもらいながら、私はアドバイスをできるような立場をとる。このタイトな期間の中で、選手にとってストレスがかからない方法」と一歩引いたところから、選手の特長やチームの状況をじっくり見極めた。
新体制での結果は1勝1分け。連敗を止め、勝ち点を積み上げることに成功。前節千葉L戦ではMF中島依美選手の今季3ゴール目も生まれた。連戦を終え、ここからは約1週間の準備期間を取ることができる。終盤の難しい舵取りを任された須藤監督が目指すのは「攻守に主導権を握るサッカー」。時間をかけて根付かせる必要があるが、選手たちが持っているベースを生かしながら、未来に向けてその種をまくことができるか。重要なリーグ戦は早くも残り4試合である。
今節の対戦相手は、アルビレックス新潟レディース。シーズン序盤は結果に恵まれなかったものの、直近の試合ではI神戸、S広島Rを続けて破り、3連勝を目指して仙台へやってくる。特にこの2試合では、2トップにゴールが生まれている。常盤木学園高校出身で、高い得点能力を誇るFW道上彩花選手、怪我から復帰し、チームに勢いをもたらすFW石淵萌実選手を、マイナビ仙台は連動した守備で抑えたい。
第16節AC長野戦では、途中出場のFW廣澤真穂選手が殊勲のプロ初ゴールを挙げた。ピッチに入って1分後、「ボールが来そうな直感があった」と思うままにゴール前に飛び出した。「とにかく足を思い切り振ることだけを考えた」というルーキー。そのはつらつとしたプレーがチームに勝利をもたらした。連敗ストップ、ホームでの勝利と、スタンドは歓喜に沸いた。やはりユアスタはこうでなければならない。勝つことの喜びを全身で感じ、自信を持って前に向かうこと。1人1人が自分の強みを思い出し、それを表現してこそ、次の勝利は近づいてくる。ユアスタ連勝へ。選手、スタッフ、サポーター、クラブに関わる全員でつかみに行こう。