開幕1週間前、練習試合でのけがだった。「左膝のじん帯損傷、全治は10週間の見込み」、廣澤真穂選手を取り巻く景色が一瞬で変わってしまった。昨季7ゴールのエースは数日前まではチームを代表してキックオフカンファレンスにも出席していた。「目標は二桁ゴール。得点女王を目指す」。プロとして「勝負の3年目」、廣澤に大きな試練が訪れた。
チームは11月2日の第7節・EL埼玉戦まで勝利がなかった。「仲間には声をかけたりしていたが、どうしても何もできないという気持ちになってしまった」。それでも廣澤は負けなかった。弱気な姿勢は見せない。一日も早くピッチに戻ろうとリハビリに取り組んだ。そして、受傷からちょうど10週間の第8節・C大阪戦で戦列に復帰を果たした。「戻ったからこそ、今度はプレーで引っ張る」と強い気持ちでユニフォームを身に着けた。無理な体制でもボールを収めた。相手が何人マークしてきても、強引にシュートを放った。目標としていた「復帰戦即ゴール」は実らなかったが、翌週の新潟L戦でも45分間試合出場した。“廣澤真穂、復活”はチームに大きな明かりを灯した。「FWとしてゴールを決めてチームを勝利に導くということが一番だと思うので、シュートシーンを増やし、見に来てくれる方を楽しませるようなプレーを届けたい」。
ピッチに立ち、ホームのサポーターからの拍手を胸に刻んだ。「試合に出られない時も、いつも声をかけて頂きました。どんな時でも応援して下さっている姿というのは、ピッチに立っていないからこそよく見えていました」。今こそ、その思いに応える時。廣澤真穂は復活のゴールをユアスタで狙っていく。