マッチデープレス vol.07

試合のみどころ Today's Highlights

ホームで勢いを持って連勝へ。
マイナビ仙台レディースの逆襲が始まる

 長いトンネルの先には、喜びの時間が待っていた。前節、マイナビ仙台レディースはちふれASエルフェン埼玉を相手に待望のシーズン初勝利をあげることができた。0-0で折り返した後半開始直後に、セットプレーから失点。しかし、この日の彼女たちはここで崩れなかった。左サイドから突破を図り、遠藤ゆめ選手がクロスを上げると、大西若菜選手が右足で合わせ同点に追いつく。拮抗した試合で交代選手も躍動した。佐々木里緒選手からのクロスに、「ほとんどファーストプレーだった」という佐々木美和選手がワンタッチで合わせ、勝ち越しゴールを決めた。「私が勝負を決める」と強い決意でピッチに入った佐々木美和選手は短い時間ながら結果を残し、ピッチ上で長い笛を聞いて安どした。「この勝利は意味のあるもの。継続して勝てるように良い準備をする」と殊勲のサイドアタッカーは表情を引き締めた。

 「何かが変わって勝てたということではない」と須永純監督は強調する。サイドで数的優位を作り、パスをつなぎ前進する形にこだわってきた。時間はかかったが積み重なったものが一つの成果になって現れた瞬間だった。若手選手が多い中で、メンタル面の成長やコントロールを促してくれたベテラン選手たちにも感謝している。「常に良い声掛けをしてくれた」。ピッチの中から、ベンチから、選手たちを盛り立てる声が途切れなかった。全員でつかみ取った勝利だった。
 今節は、ホーム・ユアスタに現在6位のセレッソ大阪ヤンマーレディースを迎える。2季目を迎えた鳥居塚伸人監督は、選手たちの局面での判断力を磨きながら、スピード感あるサッカーで勝利を目指している。WEリーグトップスコアラー、6ゴールのFW矢形海優選手を中心に、前への推進力ある攻撃には警戒が必要だ。リーグ戦では1か月以上勝利から遠ざかってる状況で、マイナビ仙台からどん欲に勝ち点をもぎ取りにくるだろう。

 逆転での初勝利を喜び合った後で、キャプテン國武愛美選手は冷静にこの先を見つめる。「やっとスタート地点に立った。C大阪は前から来るチームなので、今まで以上のトレーニングが必要」と緊張感を維持している。苦しみの先につかんだ勝利は無駄にしない。連勝へ、ここからマイナビ仙台レディースの逆襲が始まる。