マッチデープレス vol.03

注目選手インタビュー
Next STAR Interview

17 DF 佐々木里緒 SASAKI Rio

 「7試合、554分+アディッショナルタイム」。日の丸を背負った佐々木里緒が仙台へ帰ってきた。「FIFA U-20女子ワールドカップ コロンビア2024」の決勝を戦い抜き、準優勝という結果を携えての帰国だ。「7試合全てに関わることができました。いろいろな国の選手と戦うことができて、自分の現状もわかりました。すごく良い経験ができたと思っています」。ラウンド16以降はナイジェリア、スペイン、オランダとスタイルの異なる難敵との戦いが続いた。しかも試合会場は「富士山の5、6合目くらいの高地」。標高が高く低酸素の環境、短い試合間隔で決勝まで上り詰めた。「どこの国も強かったですが、決勝の北朝鮮は本当に強かった」。頂点へは、あと一歩だった。

 「自分自身の足りないところも感じた大会でした。課題を克服して、強みをピッチで表現できるようになっていきたい」。少し休むと、すぐに動き出した。月曜にコロンビアで決勝を戦った佐々木は、次の日曜、もうユアスタの芝を踏んでいた。「世界で勝負してきたプレーをこのピッチで皆さんに見せられるように。1対1の球際や武器である左足のクロス。そこでチャンスを作りたい」。逆サイドまで届く伸びやかな左足のキックは、スタジアムを熱くした。

 未勝利というチームの状況も理解している。しかしシーズンは始まったばかりだ。「まずはチームで勝利すること。個人としては自分の価値をしっかりと見せたい」。左サイドはマイナビ仙台レディースの強み。彼女が持っている武器は確かだ。代表でもチームでも、悔しい思いはもう終わり。佐々木里緒が真価を示すシーズンの幕開けだ。