ラストワンプレーのFKは鮮烈な決勝弾となった。第12節・EL埼玉戦の後半アディッショナルタイム、DF佐々木里緒選手の左足が唸りをあげた。GKも届かない左上、バーを叩いたボールはゴールに吸い込まれた。雨のピッチで「思い通りに蹴ることができた」と19歳のヒロインは白い歯を見せた。衝撃的なWEリーグ初ゴールはパーフェクトなFKだった。
U-20女子アジアカップでは全5試合に出場。優勝という結果を勝ち取ることはできなかったが、同世代の優れた仲間と共に堂々と戦ってきた。アジアの舞台でポジショニングにも磨きをかけた。「代表ではライン間でボールを受けてチャンスを作るというところを意識してきた。チームにも還元していきたい」。プロ2シーズン目を迎えた佐々木選手は勝利のために求められる選手へ。代表でもチームでもゴールを決め、一歩ずつステップアップしている。
「スタメンで90分試合に出て結果を残す」。アジアカップ以降は途中出場が続いているが、先発への意欲も強い。「連戦で厳しい中でもコンディションを整え、勝ちきる試合ができたら個人としてもチームとしても強くなれる。結果を求めてプレーしたい」。この連戦は上位浮上の足掛かりにもなる。「後半、体力的にきつい中でもプレスに行く。体を張るというところを徹底できれば勝利できる」。成長著しい佐々木里緒が攻守に躍動し、ホーム・西が丘で勝利を強く引き寄せる。