4月3日、須藤茂光・前監督の辞任を受け、須永純GKコーチが監督として指揮を執ることが発表された。シーズン途中の監督交代となったが、須永監督は「クラブが一体感を持ってやっていくことが大事」と選手たちに語りかけた。クラブとして新しい試みも進んでいる。長年スペインで指導を行っている尾崎剛士氏をコーチ兼アナリストとして招聘。選手たちの強みを発揮すべく、これまでの取り組みを継承しながら、さらに発展させていく役割を担っていく。
キャプテンの國武愛美選手は「結果が出なかったことは監督だけの責任ではない。現状を受け止めて、私たちも行動やプレー、勝利という結果で示さなければいけない。少しでも勝ち点を積み重ねたい」とこの先の戦いへ表情を引き締めた。簡単な状況ではない。しかし、S広島R戦を皮切りに連戦がやって来る。「前回できなかったことは修正し、できたことはさらに良いものにする。S広島R戦は成長を感じられるゲームにしたい」と須永監督は前向きにチームを率いていく。シーズン残りは9試合、シーズン当初の目標としていた「3位」へ少しでも近づくために、クラブに関わる全ての人が力を合わせて向かっていく。
2-2のドローに終わった約1ヶ月前のアウェーS広島R戦。この試合では相手にシュートを20本打たれた。勝ち点1を分け合ったが、スコアの陰に隠れた苦しさは選手たちの記憶に鮮明に残っている。「ほぼ負けのようなゲームだった」と隅田凜選手は悔しさを思い出す。「ボールを持たれて、自陣で守って守って、私たちは2度のチャンスで決めただけ。今度は自分たちが一歩でも二歩でも前に出て、高い位置でボールを奪いたい」。同じ戦いにはしない。サイドに脅威を持つS広島Rに対し、サイドでどう勝つか。チームは試行錯誤しながら前に進もうとしている。ホームとしての味の素フィールド西が丘。隅田選手は東京NB時代にここを本拠地として数多くの試合を戦ってきた。「スタンドとピッチが近く、テンションが上がる会場。個人的にはゴールを決めているイメージもある」。東京の空に勝利の歌を響かせる準備はできている。スタンドに集う青き援軍と共に、勝利を目指そう。