「私の良さは、全てにおいて強いこと」。来日から約半年が経ったナイジェリア出身のオケケ選手はピッチで自らが誇る“強さ”をいかんなく発揮している。173cmの長身、手足のリーチ、リーグ屈指のフィジカルの強さは、相手にとって大きな脅威になっている。序盤は攻撃的なポジションで起用されることが多かったが、シーズン途中からは彼女の主戦場であるCBで先発に定着した。
「WEリーグはレベルが高い。日本でのプレーは夢だったし、私自身もステップアップを目指して頑張っているところです」。母国やスペイン、イスラエルのチームで経験を積み、次に選んだのは日本のWEリーグだった。サッカーのスタイルにも順応してきた。「日本のサッカーは攻守ともにとてもスピードが速いし、戦術的にかなり細かい」。通訳を介して、自身に求められることを繊細に理解しながら味方と力を合わせる。
その素顔をチームメートに聞くと「実は恥ずかしがり屋で、とてもおちゃめな性格」だとか。英語や覚えたての日本語で仲間とコミュニケーションを取る。「慣れると陽気さを発揮する」という彼女の周りには自然と笑顔が広がる。しかし、試合中は笑わない。オケケが笑うのは長いホイッスルがスタジアムに響いた後だ。「毎試合勝利に貢献して、チームを高いところへ押し上げたい」。“ファイター”は、今節もDFラインのバトルに闘志を燃やし、相手の攻撃をシャットアウトするため全力を尽くす。