マッチデープレス vol.05

サッカーができる喜びを噛みしめる復興応援マッチ。
一体感を持って、ホームで連勝を目指せ！

　ゴールと勝利の喜びがユアテックスタジアム仙台全体に満ちていた。第8節・C大阪戦でマイナビ仙台レディースは2-1と逆転勝利、ホーム初白星をあげた。勝ち越しのPKを決めた遠藤ゆめ選手は前日に高校の卒業式を終えたばかり。「めっちゃ嬉しいです！」と18歳の笑顔が弾けた。「選手が勝ちたい気持ちを表現してくれた」と須藤茂光監督が振り返る通り、先に失点しても下を向く選手はいなかった。誰もが前だけを見ていた。

　経験豊かな選手たちの復調も明るい材料だった。隅田凜選手がリーグ戦に今季初出場し、佐々木美和選手は途中出場で同点ゴールのアシストをするなど、反撃の流れを作った。そして長くリハビリに取り組んでいた後藤三知選手が、実に1年2ヶ月ぶりに途中出場でピッチに立った。声で、プレーで、存在感で仲間を鼓舞できるメンバーの復活である。けがで戦列を離れていた選手たちも先発争いに加わり、チーム内での競争が活性化している。ここから連勝で上昇していく準備は整った。
　今節対戦するAC長野パルセイロ・レディースはここまで3勝2分3敗。前節・千葉L戦ではMF鈴木日奈子選手の2ゴールで勝利し、順位を5位に上げている。奥川千沙選手、福田ゆい選手、成田恵理選手らとマイナビ仙台に縁の選手も多い。仙台では長くリハビリを行っていた宮本華乃選手も第6節でWEリーグ初ゴールを上げている手強い存在だ。新天地で輝く彼女たちとの再会は楽しみだが、勝利は簡単に譲れない。

　前節と今節のAC長野戦をマイナビ仙台レディースは「復興応援マッチ」として開催。未来を担う学生がデザインした特別な「復興応援ユニフォーム」を身にまといプレーする。東日本大震災の発生からまもなく13年を迎える今年も、クラブのルーツに思いを寄せ、けして当たり前ではない「サッカーができる喜び」を大切に思い返す時間を過ごす。けして諦めない姿勢を貫き、力強く勝ち点3をつかみに行こう。