約2ヶ月のウインターブレイクを経て、2023-24WEリーグの後半戦がいよいよ始まる。マイナビ仙台レディースは中断期間にタイのラヨーン県と宮崎県延岡市で約3週間のキャンプを実施。温暖な気候でここからの15試合を戦い抜く体づくりと、連携強化を図った。須藤茂光監督は「各ポジションで競争意識が出たことが良かった」と充実のキャンプを振り返る。第7節までの戦いから自分たちの強みも再確認した。マイナビ仙台の攻撃の核となっているクロス。そこからの得点を増やすべく更に精度を磨き、中への入り方を共有してきた。守備面の改善にも重点を置いた。「プレスのかけ方や切り替えの速さを意識した」(須藤監督)と、取られたらすぐに取り返す「即時奪回」で鋭い攻撃へとつなげていく。
新たな力も光っている。前期からチームの中心として活躍してきた遠藤ゆめ選手や石坂咲樹選手、更にJFAアカデミー福島からは吉岡心選手もプロ選手として本格的にチームの一員となった。更にU-20韓国女子代表のパク・ジェア選手も試合出場が可能となる。試合数が多く、連戦もある後期の戦いに、誰もがヒロインになる可能性がある。
他のカードよりも1日早く再開する、マイナビ仙台レディース対セレッソ大阪ヤンマーレディースの一戦。何と言っても要注意人物は、矢形海優選手だ。マイナビ仙台で2季活躍した快速ストライカーは、古巣C大阪でも大暴れ。開幕からの7試合で3ゴールをあげ、チームの攻撃をけん引している。WEリーグカップの対戦では恩返し弾を決められているが、今回は何としても阻止したい。國武愛美選手は「前線の選手はよく走るし、サイドにはドリブラーもいる。1対1で負けず、絶対に起点を作らせない」と、旧友との戦いにも一歩も引くつもりはない。
「復興応援マッチ」となる今節と第9節のAC長野戦で、マイナビ仙台の選手たちは特別なユニフォームを身に着けて戦う。東北の学生から広くデザインを募った「復興応援ユニフォーム」。選考、プレゼンテーションを経て、専門学校デジタルアーツ仙台デザイン科2年の阿部舞衣さんと佐々木彩香さんのデザインが採用された。コンセプトは「ひろがれ、希望」。地元の学生とマイナビ仙台レディースが手を組んで、これから広がる明るい未来を、ピッチで表現する。ぜひ特別なユニフォームで勝利を目指す選手たちを、スタジアムで後押しして欲しい。待ち望んだホームでの歓喜の瞬間。「見ている人たちに気持ちが伝わるような試合をする」(國武選手)と、一人一人が強く勝利を追い求める後半戦が始まる。