「日本の生活にもすっかり慣れて、毎日をとても楽しんでいます」。今季マイナビ仙台レディースに加入したスペイン出身のFWカーラバウティスタ選手は、新しい文化にも溶け込んでいる。「お寿司、お蕎麦、ラーメン、日本食は何でも美味しい」と満面の笑み。チームメートと常にコミュニケーションを取る彼女の周りには自然と笑顔が広がる。
アンダー世代のスペイン代表として活躍し、これが初めての「海外移籍」となった。「日本のサッカー哲学、日本人がサッカーに向かう考え方に惹かれ、それを肌で感じてプレーしてみたいと思った。日本の選手は自分に厳しく、味方を思いやることができる。そういうことを学びながら成長したい」。そう話すバウティスタ選手自身も、とても謙虚な姿勢で毎日の練習に取り組んでいる。
ピッチでは最前線で攻撃をけん引し、戦う姿を全身で表現する。「私は自分のことを“ファイター”だと思っている。常にモチベーションを高く持ち、チームを鼓舞するプレーをしたい」。対戦相手に日本代表などの優れた選手がいれば、一層心が燃えるそうだ。「スペインでは戦術的に、パスで相手を崩すことを重点的に取り組んできた。日本のサッカーではフィジカル的な要素がスペイン以上に求められる。試合中の走行距離もかなり増えた」。プレーの幅も徐々に広がり、コンディションが整ってきたタイミングでのWEリーグ開幕。当然、毎試合ゴールを狙っている。「開幕戦でゴールを決めて勝利できた。その嬉しい気持ちが忘れられない」。もちろん1得点では満足していない。ゴールネットを豪快に揺らし、仲間が駆け寄ってくる瞬間を増やすため、カーラは今日も果敢に右足を振っていく。