「FIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023」での、なでしこジャパンの健闘も記憶に新しい中、2023-24シーズンのWEリーグカップが開幕。ついに新シーズンの公式戦が始まった。
昨季途中から指揮を執る須藤茂光監督の下、マイナビ仙台レディースは8月初旬に約2週間の北海道キャンプを実施し、WEリーグカップ開幕に備えた。長くチームを支えたメンバーが引退。また攻撃面を担ってきた中心選手たちが他チームへ移籍をする中で、AC長野から展開力のある若きボランチの太田萌咲選手が加入。更にスペインからカーラ・バウティスタ選手、パウラ・ゲレーロ・サンズ選手、カメルーン代表のマリエ・アウォーナ選手、タイのジャニスタ・ジナントゥヤ選手を獲得した。この国際色豊かなチームで、それぞれがどのような色を発揮していくのか。明らかにされていない全貌は、WEリーグカップの戦いを通じて少しずつ見えてくるはずだ。
初戦となった第1節・S広島R戦は、1点を追う展開で中島依美選手のゴールが生まれた。しかしその後は、相手に寄せ切れずクロスから失点を重ね、1-4で敗れてしまった。「1対1でのボール奪取、デュエルで課題が出てしまった。ミスも多くペースが相手に流れた」と須藤監督。キャンプで取り組んできた守備組織の構築にはまだ時間がかかりそうだが、現段階で見つかった課題に丁寧に向き合いながら、チームとしての形を作り上げていきたい。
このS広島R戦で悔し涙を流したのは、トップチームでのデビュー戦となったユースのキャプテンMF遠藤ゆめ選手だ。「『逆転したい』と思っている中で、自分の弱さやプロの強さを見せつけられた。失点し、焦って更に失点を重ねてしまった」と自らのプレーを悔やむ。「チームを勝たせることができる強い選手になりたい」と強い決意を持つ18歳が得意のドリブルでチームの攻撃を活性化させていく。
サッカーにおける基本を大事にしながら「攻守にアグレッシブに戦う意識」を植えつける須藤監督。ホーム開幕戦、新たな仲間たちともに今季初勝利をつかみ取るべく全力で千葉Lを迎え撃つ。新シーズンの幕開けをユアテックスタジアム仙台で目撃しよう。